あるところに 貧しいけれどとっても仲のよい
父と娘が暮らしておりました
ある年の暮れ
父は病にふせり、お正月の準備ができませんでした。
娘はけなげにも内職で作った笠を、峠をひとつ越えた
となり村の市場に売りにいくことに





しかし娘の頑張りとはうらはらに
笠はさっぱり売れませんでした。
ここは名古屋。
よかれと思って入れたオリジナルのマークが原因でしょうか。
それとも阪神球団非公認のため弱気になり、
摘発を恐れて「っぽい」とつけたのが悪かったのでしょうか。
父は心配していることでしょう。
笠は売れなかったけれど、無事に帰るほうが喜んでくれるはず。
娘は暗くならないうちに家にもどることにしました。
途中、娘が一休みしたところには変わった形の地蔵さまが
並んでおりました。


ずらっと並んだほかの地蔵様は皆
そろいの帽子を被っているというのに
悲しげな目をしたロン毛の地蔵様だけは・・・・
気立ての良い娘は大切な笠を地蔵様にあげました。




笠は売れなかったけれど地蔵様にあげたことを話すと
父はよろこんでくれました



その夜のこと・・・
どっさどっさとものすごい音が。
おそろしくてお外の様子が見られなかった小心者の父と娘が
翌朝見たものは・・・
なんと高級車とお餅でした。
これで正月の雑煮が食べられます。
そして危険な峠を越えなくても
車で市場に行くことができるのです



娘がお礼に参ると
そこには立派なほこらがあるだけでした
お餅を食べて元気100倍
父の病はうそのように治り
それから父と娘は末永く幸せに暮らしました
めでたしー めでたしー
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